1日の塩分摂取量の目安は?:ナトリウム欠乏による悪影響
現代では一般的には低塩の食事が推奨されていますが、実際毎日の塩分摂取量の目安というのはどのくらいなのでしょうか。
どこの家庭でも親や祖父母世代は塩分が高血圧に関係していることをいいますし、高塩分摂取によって引き起こされる健康上の問題は多くあります。どれぐらいの塩分摂取が適切で、どうやって塩分の値を測定することができるのでしょうか。詳細を見ていきましょう。
主な原因である「ナトリウム」
平均的な食塩には少なくとも40パーセントのナトリウムが含まれています。人体は正常に機能するために一定量のナトリウムを必要としますが、その量はあまり多くありません。
栄養学的にはナトリウムは微量栄養素と考えられており、それは血圧、血液量、栄養素吸収をコントロールしてます。 また筋肉が収縮するのに重要な役割を果たしています。
しかし制限しないといけない成分でもあり、たくさん摂取し過ぎると生命維持に害を及ぼすことがあるのです。カルシウムの吸収と同じ様に腎臓機能に影響を与える可能性があります。
塩分摂取量の問題
1グラムの塩には400ミリグラムのナトリウムが含まれています。 問題なのは、食卓に置かれている塩だけが摂取する塩分であるというわけではなく、スナック菓子、醤油、ソーセージ、チーズ、肉など、毎日食べている製品に「隠れた」塩がたくさん使われていることにあります。
毎日のようにこういった塩を使って作られた製品を食べてさらに食卓で塩を追加するとなると、高レベルのナトリウムを摂取してしまうことになります。しかしながらほとんどの人は自分がどれだけ塩分を摂取したかについての自覚がありません。
アメリカ疾病予防管理センターのデータによるとアメリカ人の90%が1日あたり約3400ミリグラムのナトリウムを摂取しています。明らかにこの量は1日の推奨量を超えています。では実際問題、毎日の適切な塩分摂取量はどれくらいなのでしょうか?
WHOによる塩分摂取量の提唱
世界保健機関(WHO)は1日に5グラムを超える塩を摂取してはならないということを提唱しています。この量は小さじ1杯の食卓塩に相当します。
5グラムの塩を測定すると1日あたり約2300ミリグラムのナトリウムとなります。しかし食卓塩は自分の意志でコントロールできますが、加工食品の塩はどうにもできません。そして問題なのは総塩消費量の少なくとも75パーセントが加工品から来ているということです。
これについての意見はすべて一致しているわけではなく、カナダのマックマスター大学の研究者たちによると毎日3000ミリグラム未満の塩を摂取することも危険をもたらす可能性があると示唆しています。研究は進行中ですが、しかしながら健康な人における極端に低い塩分摂取量は、かえって逆効果でもあるのです。
ナトリウム欠乏による悪影響
体内のナトリウム欠乏は低ナトリウム血症として知られています。それは水分過剰が引き起こす症状と見なされ、その最も進行した状態では発作を引き起こし、昏睡状態になり、最悪の場合は死に至らしめます。人体の水分状態はこのナトリウムというミネラルと密接に関係しているのです。
特別な場合を除いて、ほとんどの専門家は低ナトリウム摂取量を推奨しています。現在の食品の品質を見ると製造工程で既に過剰な量の塩が使われており、無差別にそれらを消費することは高血圧症の患者にとっては大変危険です。
心臓の病気を抱えている人には特に推奨される塩分摂取量の規定があります。51歳以上の人、高血圧症、糖尿病の人も同じです。毎日最大1500ミリグラムに抑えるべきで、これは腎臓疾患のある患者にも当てはまります。
特に気を付けるべき事柄
塩分摂取量を管理することは健康を管理する事でもあります。自家製食品だけでなく加工食品に含まれるナトリウムにも注意を払う必要があります。したがって製品を購入するときは栄養表示を確認するようにしてください。
塩は料理の味を調えるのに最適な調味料ではありますが、調理の際には常に正しい量を使うように心がけましょう。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。