腸に影響を及ぼす炎症性腸疾患について

14 2月, 2020
炎症性腸疾患には、主にクローン病と潰瘍性大腸炎、そして不確定性大腸炎がありますが、その違いは何でしょうか?

炎症性腸疾患は、大きく分けると潰瘍性大腸炎、クローン病、そして不確定性大腸炎に分類されます。

炎症性腸疾患の特徴

炎症性腸疾患とは、腸に主に影響を及ぼし、消化管のさまざまな部分で起こる慢性および再発性の炎症を伴う疾患などを包括的に表す言葉で、3つのグループに分けられます。

  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 不確定性大腸炎:潰瘍性大腸炎またはクローン病との診断が不明瞭な場合

これらの病気の原因は分かっていませんが、腸内細菌叢に不耐性があることを示唆しているというのが最も支持されている理論です。

つまり、不耐性により体内が反応を起こして炎症が起こるという考え方です。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は結腸にのみ影響しますが、炎症は直腸で始まるため直腸病変と呼ばれます。

クローン病との最大の違いは、炎症が主に大腸だけに発症するという点です。

一般的には内科的な治療を行いますが、内科的な治療が効果を発揮しない場合のみ、大腸の切除という外科的な治療によって問題を解消することが可能です。

潰瘍性大腸炎の症状は、血便または下痢、急激な体重減少、そして便中の粘液などです。

クローン病

クローン病は、口から肛門まで、消化管のあらゆる部分に潰瘍や線維化などが起こる可能性があります。潰瘍性大腸炎と異なり、炎症が大腸だけでなく腸壁全体で起こります。

穿孔と呼ばれる穴が開いたり膿瘍ができ、肛門の周辺に膿などができるのもクローン病の症状の一つです。

外科的な治療として手術を行なっても、クローン病を完全に治すことはできませんが、結腸を短くして合併症を減らすことができます。

腸に影響を及ぼす炎症性腸疾患について クローン病

クローン病を発症する患者の多くは栄養不良なので、痛みと損傷を最小限に抑えるには、集学的治療を計画することが不可欠です。

最も一般的な症状には、下痢、激しい腹痛、体重減少などがあります。

さらに、腸内の患部が糞便の通過を妨げるため、腸内が発酵して便秘が起こる患者もいます。

食事に関連する問題

炎症が原因で、十分なたんぱく質やカロリーを摂取することができなくなるという問題が生じますが、病気が進行するにつれて、患者が直面する可能性のある他の症状も現れます。

嫌悪感

何かを食べた後に起こる腹痛への不安感や恐怖感により、特定の食物への嫌悪感が起こります。

また、食後に起こる鼓腸、吐き気、そして下痢は、食べる量が減るなどの食習慣への影響を与えるだけでなく、栄養不良などを引き起こします。

そのため、炎症性腸疾患を発症したら、腹部の不快感を引き起こす食品の摂取を制限することが推奨されます。

腸管が狭窄している場合は場合、過剰な細菌の増殖によって食物摂取をさらに制限する症状を引き起こす可能性があります。

貧血

鉄欠乏性貧血は、腸疾患に苦しむ患者に起こる一般的な合併症の一つです。

炎症の存在や出血によって鉄分が欠乏し、貧血が起こります。

吸収不良

吸収不良は、腸の炎症性疾患から生じる合併症の一つで、主要栄養素(炭水化物、脂肪、タンパク質)と微量栄養素(ビタミン、ミネラル、微量元素)を吸収する身体の能力に影響します。

吸収不良は、消化管の特定の部分の機能不全に起因する下痢、細菌増殖症候群および他の腸反応を引き起こします。

腸に影響を及ぼす炎症性腸疾患について 治療目標

炎症性腸疾患の治療目標

炎症性腸疾患は「慢性腸炎」と呼ばれますが、常に炎症を引き起こすわけではありません。

患者は、排便の頻度と発熱や血便があるかどうかに応じて、栄養面での治療が必要となります。

治療においては、欠乏している栄養を補充して患者のニーズを網羅することで、必要な栄養を補給して維持することに焦点を合わせます。

治療においては、炎症の発症を減らして腸の狭窄を調べることも必要となります。

患者は、乱れた食生活や食事制限を避け、健康的でバランスのとれた食生活を維持するために栄養士のアドバイスに従うことが大切です。

また、適切な水分補給を行うための指導も行われます。

  • Salas-Salvadó J, i Sanjaume AB et al. 2019. Nutrición y dietética clínica. Elsevier Health Sciences.