睡眠不足が及ぼす体への影響
私たちの生活はあらゆる環境の変化により、ここ数年で劇的に変わりました。そんな中で間違いなく徐々に失われていっているものの一つに、十分な休息をとるということがあげられます。息つく暇もないほどめまぐるしい日々を送る中、睡眠時間がどんどん削られて行っているのです。これは確実に体に悪影響を及ぼし、健康が蝕まれています。
携帯電話、コンピュータ、テレビ、そしてあわただしい毎日の生活が、睡眠時間を確保しづらくしています。あるニュースによると、世界睡眠協会は45%の人が現在なんらかの睡眠障害を持っていると発表したということです。
現在、睡眠障害はほぼ蔓延しているといってもいいでしょう。睡眠が大事だとわかっていても、睡眠が食事よりも重要であると捉えている人は少なく、また睡眠の重要性がわかっていたとしても実践には至らないといったところが本音のようです。
では実際、睡眠不足が体にもたらす影響とはどのようなものがあるのでしょうか?それについて詳しくご説明していきましょう。
睡眠不足があなたの体に及ぼす影響
睡眠不足は体に多くの悪影響をもたらし、これらはより深刻な障害につながる可能性があります。最も一般的なものには次のようなものがあげられます。
脳の退化
脳は睡眠時に細胞を再生し、エネルギーを回復して病気を予防することを可能にします。睡眠不足になるとエネルギーを効率的に回復することができず、認知症につながるおそれがあります。
BMIの減少
一晩の睡眠時間が5時間未満の人はBMI(ボディマス指数)が減少します。平均してBMIの約3.6パーセントが代謝プロセスの欠乏のために失われます。そして、それは夜に起こります。
摂食障害
一般に十分に休まない人々は食生活が貧しいといわれています。睡眠時に体はレプチンというホルモンの一種を生成し、それが満腹感を感じさせて体脂肪を調節します。体内でのレプチンの生産が低下すると食べることにより体脂肪を蓄えることになります。さらに糖尿病や肥満などの症状の発症も促進します。
反射神経の欠如
十分に睡眠をとらないでいると認知能力と運動調整力が衰えます。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によると、毎年4万人以上の人が睡眠不足による影響で事故を起こしているということです。
パフォーマンスの低下
睡眠不足によりやる気や元気がなくなり、学校や仕事においても通常ならうまくできることも思うようにできなくなってしまいます。
なぜ睡眠時間が減ってきているのか?
現代、睡眠不足になる理由はたくさんありますがその理由の1つとして、寝る前に携帯電話やコンピュータ、テレビなどを観ることがあげられます。
それは網膜の神経節細胞の知覚の低下が関係しています。この神経細胞は昼であるか夜であるかを脳に伝えるという役割があり、例えば携帯電話やスクリーンからの短波長の光に非常に敏感であるので、寝る前に携帯電話やパソコンを見ると体内時計は影響を受けてしまい、今何時であるかについて混乱してしまうのです。
さらに運動不足も関係しています。ほとんどの人がWHOが推奨するように毎日30分間の運動を行っていないので、体が休息をとりたがらなくなってしまいます。
最後に関連性のある要素として、食事療法についても言及しないといけません。カフェイン、アルコール、またはタバコを過度に摂取すると睡眠のリズムが変わる可能性があります。摂取量を制限するか、できることなら完全にやめてしまうことをおすすめします。
就寝前に役立つアドバイス
もし睡眠不足だと感じているなら以下のアドバイスをぜひご覧になって参考にしてみてください。
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休憩を後まわしにしない
別の日にできることならその日は無理して残業しないで、休むことを優先しましょう。体が疲れているときはしっかり休み、次の日に備えてください。
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寝だめをしない
週末に寝だめすれば普段の睡眠時間を取り返せるというのは根拠のない作り話です。睡眠リズムは毎日一定に保たれなければなりません。
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夜に食べ過ぎない
夜に食べるとそのエネルギーは消費されず、代わりに脂肪として蓄積されます。また眠っているときは生体の機能が遅くなるので消化の過程が効率的ではなく、消化不良の原因にもなります。
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スマホやパソコンの電源を落とす
就寝する1〜2時間前にコンピュータ、携帯電話などの睡眠の妨げになる電子機器を使わないようにします。本やその他のリラックスできる活動を行うようにしてください。
睡眠不足による体への影響というのは深刻ですので、しっかりと予防策をたて日常の習慣を見直し、十分な睡眠をとることが重要です。長い目で見れば生活が変わり、健康になっていくことに気づくでしょう。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。