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イタリアサッカー界の「カルチョ・スキャンダル」とは?

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「カルチョ・スキャンダル」は試合を操作したことが発覚したスキャンダルで、大手チームと審判団の関与が明らかになったものです。
イタリアサッカー界の「カルチョ・スキャンダル」とは?
最後の更新: 18 8月, 2020

2004年、誰もがイタリアのセリエAの話題で盛り上がってましたが、それはスポーツとして偉業を達成したからではありません。イタリアのトップサッカーリーグが「カルチョ・スキャンダル」というスキャンダルに巻き込まれたのです。この記事では、これに関わったチームについてお話します。

「カルチョ・スキャンダル」の始まり

このスキャンダルについてお話するには、イタリア・セリエAの2004~2005年のシーズンにさかのぼらなければなりません。このシーズン中、いくつかの「ビッグ」チームが試合で有利になるよう働きかけていたことが、盗聴によって明らかになったのです。

出てきた証拠によれば、カギとなるようなリーグの試合で有利な判定をするレフェリーを指名し、試合の結果に直接影響を及ぼしたと言います。

イタリアで代理人業務をマネジメントする「GEAワールド」からの調査員が会話を調べ暗号を解きました。そしてスポーツ紙だけでなくイタリアの新聞にこのことを載せ、「カルチョ・スキャンダル」(元のイタリア語はサッカーと脱獄事件という言葉を合わせた造語)という名前を付けたのです。

この調査で、ユベントスのルチアーノ・モッジ元GMやアントニオ・ジラウド元CEOが協会と個人的に話し、審判の指名に影響を与えていたということがわかりました。トリノ裁判所(ユベントスのホーム地)で告訴してから、調査員はモッジとジラウドの電話を全て録音するようになりました。

その中で、イタリアサッカー連盟の主審だったピエルルイジ・パイレットが、ユベントスに有利な判定をする審判を指名するよう頼まれたといいます。ユベントスに有利になるように直接影響するような試合運びにできる審判の名前まで提案されていたのです。

しかし、パイレットが他のチームと同じ理由でコンタクトを取っていたことがすぐに調査員によって明らかになります。その中にはなんと世界的に有名なACミランやフィオレンティーナ、ラツィオなどのチームも含まれていました。

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関与したチームへの処罰

調査は初め、スポーツの世界に限られていました。しかし、この問題が「コリエーレ・デラ・セラ」など大手の紙面に載ると、裁判官は再審を行うことにし、イタリアサッカー連盟に処罰の決定権を与えたのです。

そしてついに2006年の7月4日、以下のチームが処罰を受けました。

ユベントス

2004年~2005年と2005年~2006年のスクデットを返還させられました。勝ち点マイナス30点からのスタート、セリエC1への降格、そして罰金8万ユーロが科されました。

ACミラン

ACミランはグループステージでチャンピオンズリーグに出場することができなくなりました。ところがプレリミナリークオリファイイングステージでプレーしなければならなかったにもかかわらず、驚くべきことに優勝してしまったのです。セリエAでは勝ち点マイナス15点、罰金3万ユーロが科されています。

フィオレンティーナ

勝ち点マイナス12点に加え、セリエBに降格になりました。罰金は5万ユーロ科せられました。

ラツィオ

ローマのこのチームに対しては勝ち点マイナス7点スタート、罰金4万ユーロが科せられました。

「カルチョ・スキャンダル」の結果、クラブのカギとなる人物にも処罰が与えられています。これにはラツィオの会長やユベントスのGMなども含まれ、それぞれ3年6ヵ月と5年の活動禁止を受けています。

審判のマッシモ・デ・サンティスは4年半の活動禁止になり、イタリアサッカー連盟の会長も8万ユーロの罰金を科せられました。

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画像元:la10.rpp.pe

「カルチョ・スキャンダル」のイタリアサッカー界への影響

チームの降格だけでなく、スキャンダルによってチャンピオンシップのタイトルも剥奪されてしまいました。ユベントスが優勝した2004年~2005年のタイトルは、今でも誰の物にもなっていません。

しかし、2005年~2006年のタイトルはインテルナツィオナーレ・ミラノに与えられ、2位はASローマになりました。また、パレルモとキエーヴォ・ヴェローナが2006年~2007年のチャンピオンズリーグ出場の資格を得ました。

最後に、ユベントスへの甚大な影響について触れておきましょう。広角によってクラブの収益は大幅に減少しました。また、イブラヒモヴィッチやカンナヴァーロ、ザンブロッタなどスター選手がイタリアを離れ、ブッフォン、ハッサン、デル・ピエロ、カモラネージ、ネドベドなどの選手もセリエAのクラブへ移籍してしまうこととなりました。


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  • Calciopoli Scandal : The darkest incident in the history of Juventus and Serie A. Sports Nova. https://www.sports-nova.com/2019/12/27/calciopoli-scandal-the-darkest-incident-in-the-history-of-juventus-and-serie-a/
  • Ferrari, G. Enero de 2017. Calciopoli. https://www.lifeinitaly.com/sport/calciopoli
  • La Vanguardia – Buffon habla sobre su decisión de quedarse en la Juventus en la Serie B – Diciembre 2019 – https://www.lavanguardia.com/deportes/futbol/20191205/472070266843/gianluigi-buffon-habla-decision-quedarse-juventus-serie-b-calciopoli.html
  • El país – Juventus, Lazio y Fiorentina descienden a Segunda División – Julio 2006 –  https://elpais.com/deportes/2006/07/14/actualidad/1152861712_850215.html

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